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2024年、ビットコインETFが金融市場に新たな風を吹き込んでいます。この記事では、ビットコインETFの基本から、現物と先物の違い、投資のメリットとデメリットを解説します。
ビットコインETFの基本:
ビットコインETFとは、ビットコインの価格に連動する上場投資信託です。ETFとは、"Exchange-Traded Fund”の略で、株式市場で取引される投資信託の一種で、特定の指数やセクター、商品、その他の資産に連動するように設計されています。つまり通常の株式市場で株と同じように証券会社の口座で取引できるのがビットコインETFです。
先物ETFと現物ETF
実は2021年にすでにビットコイン先物ETFはユーヨーク証券取引所に上場されています。ではなぜ今更ビットコインETFが注目されているのでしょう?
先物ETF
先物ETFとは将来の特定の時点での売買を現時点で約束する取引で期限が定められています。期限が来ると必ず決済されてしまう為、長期運用のために継続してその商品に投資したい場合、再度取引契約をする必要があり、これをロールオーバーといいます。このロールオーバーによるコストや管理の複雑さが長期運用の弊害となることがあります。
現物ETF
現物ETFについてみていきます。BlackRock のiShares Bitcoin Trustのレポートによると、99%はBitcoinに投資されているため、ほぼ、実際のビットコインの価格に連動します。現物ETFは期限がない為、一旦購入してしまえばその後、ロールオーバーなどの手続きは不要で中長期運用に向いています。
出典:iShares Bitcoin Trust | IBIT
現物ETFが上場することで、中長期の運用がしやすくなることにより機関投資家や個人投資家の資産が流入することが期待されています。
ビットコインETFのメリットとデメリット:
繰り返しになりますが、今回のビットコインETFが注目される背景として、現物ETFが上場することにより機関投資家や個人投資家の資産が流入する可能性があるという点で注目されています。SECがビットコインのETFを承認すると、"従来の株式市場"でビットコインに連動する商品に投資ができるようになるという点がポイントです。では従来の株式市場でビットコインに連動する商品に投資ができるようになればどのようなメリットがあるのか見ていきます。
投資家にとってのメリット
管理が楽になる
仮想通貨を管理するにはデジタルウォレットが必要です。この管理が複雑なうえにセキュリティリスクが高いことが課題でした。従来の株式市場でビットコインスポットETFに投資できるようになることで煩わしい管理の手間を省くことができ、従来の株式投資と同じように簡単に投資できるようになりました。また、セキュリティの観点でも安心して投資が可能になります。
従来の株式市場で取引するので資産が保護される
証券会社の倒産などのリスクから投資家の資産が保護されます。仮想通貨取引所の場合規制が厳しくなく、取引所の財務情報等に関しても不明瞭な部分が多くありました。その為、FTXの破綻にみられたように投資家の資産が大きく失われてしまうことがありました。
税制上の取り扱いが明確
従来の株式と同じ取り扱いとなるため、税制上の取り扱いが明確で、仮想通貨に直接投資をするより税制上では有利になります。
資金の流入と流動性の向上
これまで、SECがたびたびビットコイン現物ETFの上場を否認してきたことにより敬遠されたがちでしたが、SECの監視下で取引ができるようになったことにより、ビットコインが安全に投資できる資産としての認識が高まり、機関投資家や個人投資家の資金の流入が期待されています。
デメリットやリスク(例:価格変動、管理費用など)
ETFなので管理手数料がかかる
仮想通貨に直接投資をする場合は、かからないETFの管理手数料が必要な場合があります。
週末等取引時間外がある
仮想通貨は24時間365日基本的に取引可能ですが、ビットコインETFの場合は、決められた取引時間内のみの取引となります。
ボラティリティが高い
Bitcoin performance compared to major asset classes
Black lock のレポートによるとビットコインは高いパフォーマンスを記録することもあれば大きく落ち込むことがあったとされており、ほかのメジャーな金融商品と比べてもボラティリティが非常に高いことがわかります。
出典:IBIT: BITCOIN ACCESS MADE EASY
ビットコインETFの種類と主要な商品:
ティッカーシンボル:
ETF Name | Ticker | Custodian |
Bitwise Bitcoin ETF | BITB | Coinbase |
ARK 21Shares Bitcoin ETF | ARKB | Coinbase |
Fidelity Wise Origin Bitcoin Trust | FBTC | Fidelity |
WisdomTree Bitcoin Fund | BTCW | Coinbase |
Invesco Galaxy Bitcoin ETF | BTCO | Coinbase |
Valkyrie Bitcoin Fund | BRRR | Coinbase |
iShares Bitcoin Trust | IBIT | Coinbase |
VanEck Bitcoin Trust | HODL | Gemini |
Franklin Bitcoin ETF | EZBC | Coinbase |
Grayscale Bitcoin Trust | GBTC | Coinbase |
Hashdex Bitcoin ETF | DEFI | BitGo |
ビットコインETFへの投資方法:
現在日本国内の証券取引所には上場していません。海外の証券口座を利用して購入するか、仮想通貨取引所で、ビットコインの現物を直接取引する必要があります。イギリスのオンライン証券であるIG証券でiShares Bitcoin Trustを取り扱っています。
IG証券 | iShares Bitcoin Trust:https://www.ig.com/jp/marketanalysis/ig-shares/ishares-bitcoin-trust
- IG証券にログインします。
- 個別株口座に切り替えます。
- 検索窓よりiShares Bitcoinと検索します。
- iShares Bitcoin Trustが表示されるのでタップし取引します。
ビットコインETF上場後の動向
ビットコインの価格はETF上場の翌日、大きく下落、現在は$41000近辺を推移、事実売りが発生したと見られています。以下は直近の動向に関する記事ですが、他の資産と比べても、ビットコインETFが市場に与えた影響は非常に大きいことがはっきりとわかります。
ブルームバーグの記事によると、ブラックロックのビットコイン現物ETFへ10億ドルを突破したとのこと。
Coin Deskの記事によると、銀ETFの運用資産残高は約110億ドル。一方、金ETFは約950億ドル。ビットコインETFはすでに300億ドル。
出典:Bitcoin Instantly Topped Silver in ETF Market and Trails Only Gold Among Commodities
Coin Deskの記事によると、新ファンドの取引高は最初の3日間で100億ドルに到達。2023年には500件のETFが設定され、それらを合わせても年間を通じて出来高はわずか4億5000万ドルに過ぎなかったとしており、ビットコインETFはETFの市場への資金流入を大きく促したことがわかります。
ビットコイン将来の展望
金現物ETF
2004年金の現物ETFがニューヨーク証券取引所に上場した後、金の価格は上昇し続け、2024年現在においても、上場前の価格まで下落したことはありません。この事例と同じになるというわけでありませんが、証券取引所に上場し投資がしやすくなるということはそれだけ資金が集まりやすくなるということです。
業界の専門家の意見や分析
ARK Invest's CEO のキャシーウッド氏コメント:
強気のシナリオでは2030年までに価格$ 1,500,000に達する可能性がある
引用元:Cathie Wood Sees Bitcoin Price Reaching $1.5M by 2030 After ETF Approval
BitMEXの共同創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏コメント:
「2024年末までにビットコインなどの仮想通貨の時価総額は最高値に到達または超えると現在でも予想している」
引用元:アーサー・ヘイズ氏、ビットコイン現物ETFの活用方法や相場の見通しを考察
Fundstrat Global Advisors トム・リー氏コメント:
「ビットコイン(BTC)の価格は今後12カ月間で15万ドル(約2,180万円)まで上昇する可能性がある」
引用元:「ビットコインは5年後に7280万円まで上昇しうる」著名アナリストのトム・リー氏が価格予想
この記事では、ビットコインETFの基本、現物と先物の違い、投資のメリットとデメリット、主要な商品、投資方法、そして市場の将来性について解説しました。ビットコインETFは、従来の株式市場での取引の利便性とビットコインの特性を融合した投資機会を提供し、市場に新たな動きをもたらしています。この記事がビットコインETFに関する理解を深める手助けとなれば幸いです。